一般的に使われるDOT3規格のブレーキフルードの沸点は205℃ですが、湿気が数%含
まれるだけで150℃程度まで下がり、ベーパーロック現象を起こしやすい状態になりま
す。坂道などでブレーキを多用すると、摩擦熱によってブレーキ本体が過熱し、ブレー
キフルードも高温になっていきます。そしてその温度が沸点を超えると、ブレーキフル
ードの一部が蒸発して気体になります。経路の途中に気体が入ると油圧の力は気体を圧
縮することに使われてしまい、ブレーキ本体に伝わらないため、ブレーキが作動不能と
なります。これがベーパーロック現象と言われるものです。
ブレーキフルードは湿気を吸収しやすい性質を持っていて、空気中の水分もどんどん取
り込んでいってしまいます。車の使用状況や気候によっても異なりますが、交換から数
年で危険な状態になってしまいます。5・6年程度経過しても通常のブレーキ動作では問
題はありませんが、ベーパーロック現象を起こしやすいことは確実です。そのため交換
時期は2~3年を目安と考えていいでしょう。 |